商標権の利用のしかた

3.担保

1)質権

商標権も財産権であり、商標権の売却やライセンスの許諾のように使用・収益するほかに、債権の担保に供することもできます。
質権は、商標権、専用使用権、通常使用権のいずれにも設定できます。

商標権などを目的として質権を設定したときは、質権者は契約で別段の定めをした場合を除き、その指定商品・指定役務について登録商標の使用をすることができません。

商標権と専用使用権についての質権は特許庁の商標登録原簿への設定登録が効力発生要件ですので、必ず登録をする必要があります。

2)譲渡担保

譲渡担保は、担保にしようとするものの所有権そのものを債権者に移し、一定の期間内に債務者が債務を弁済すれば、これを再び返還させるという担保制度です。 譲渡担保は、商標権だけでなく「商標出願により生じた権利」にも設定できます。

*商標権は、不動産でないため単独では抵当権の目的とはなりません。しかしながら、企業財産を一括りにして抵当権の目的とする財団抵当の目的となる財団の構成部分となり(工場抵当法)、また企業担保の目的となりえます(企業担保法)。

 防護標章登録を受けるメリットってあるの?

防護標章登録制度

商標権は育てる権利であると、第3章でご説明しました。商標を長年にわたり継続的に使用し、多額な宣伝広告費を投下されますと、広く需要者にその商標が知られるようになります。周知度が非常に高くなった商標のことを著名商標といいます。そのような多大な業務上の信用を獲得した著名商標を、出所混同のおそれのある非類似の商品や役務の範囲にまで権利として登録しておく制度が防護標章の制度です。

防護標章登録を受けるメリット

防護標章登録を受けることにより、出所混同のおそれのある非類似の商品や役務についてまで、他人の使用や商標登録を排除することができます。つまり、防護標章登録に基づく権利は、商標権の保護範囲を拡大し、第三者の商標権侵害に対する安定的な救済を確保することができます。また、防護標章登録を受けることにより、著名商標として認定され、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)の「周知・著名商標」にも掲載されます。J-PlatPatには英文の検索サイトもありますので、海外の特許庁に対しても著名商標であると証明する際の法的判断材料として利用することができます。

通常の商標登録との相違点

防護標章の大きな特徴は、指定した商品や役務について使用を権利者の義務としていない点です。そのため、不使用による取消審判の対象とはならず、安定した権利を維持することができます。
防護標章登録を受けるためには、広く一般的に知られていると認定できる商標権を所有していなければなりません。その登録商標を基本として同一のマークについて登録することができます。
防護標章登録に基づく権利の存続期間の更新手続は更新申請ではなく更新登録出願として行うことが必要です。

防護標章登録の例
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