商標権取得のための条件

2.出願にあたっての必須事項

1)出願人の特定

誰の名義で出願するのかを決めなくてはなりません。出願人は次の条件を満たさなくてはなりません。

(1) 商標を使用する意思があること

 ① 自己の商品やサービスに商標を使用する予定があればよい
 ② 出願時に使用宣誓書のような証明書類を提出する必要はない
 ③ 出願時ではなく査定時に使用の意思が認められればよい
 ④ 出願において1区分内に23以上の類似群コードにわたる商品、サービスを指定すると、原則として使用の事実または使用の意思を明らかにすることが求められる
*第35類の小売業にあっては、2以上の小売業を指定すると使用の事実または使用の意思を明らかにすることが求められますのでご注意ください。

(2) 権利能力を有すること

 ① 日本の国籍を有する自然人または法人であること
 ② パリ条約の同盟国・世界貿易機関の加盟国などの国籍を有する外国人または外国法人
 ③日本に営業所などを有する外国企業
 * 共同出願の場合や会社の設立予定がある場合については弁理士にご相談ください。

2)商標の選定・特定

登録を受けたい商標を決めなければなりません。
その商標は商標法上の「商標」としての条件を満たしていなければなりません。

(1) 商標の種類

 ① 文字商標 ② 図形商標 ③ 記号商標 ④ 立体商標 ⑤ 結合商標
 ⑥ 色彩商標 ⑦ 音商標 ⑧ 動き商標 ⑨ ホログラム商標 ⑩ 位置商標

(2) 商標を特定するときの注意事項

  ① 文字は標準的な字体でよいのか?
  ② 縦書きに使ったり、横書きにして使ったりするときはどうしたらよいのか?
  ③ 片仮名文字とアルファベットとを使用するときはどうしたらよいのか?
  ④ 様々な図形の組み合わせで使うときはすべての図形を権利化しなければならないのか?
  ⑤ 様々な色彩を付するときはどうしたらよいのか?
  ⑥ 立体にして使用するときはどうしたらよいのか?
  ⑦ 音や色彩のみを使用しているときはどうしたらよいのか?

*「標準文字」による商標出願とは、特許庁長官の指定する標準的な字体で文字商標を出願することをいいます。実際に使用するロゴが決まっていない場合などには「標準文字」で出願することをお勧めします。

3)商品・サービスの特定

商標は、商品やサービスに使用するマークでなければならず、その商品やサービスは、出願時に、指定商品または指定役務(指定サービス)として表現できなければなりません。

(1) 指定商品・指定役務とは?

指定商品・指定役務とは、出願した商標をどのような商品またはサービスに使うかを指定するものです。その指定商品、指定役務の範囲が商標権の有効範囲を決めることになります。 法令(省令別表)で具体例が挙げられています。

(2) 商品とは?

ⅰ.動産である有形のもの 
ⅱ.取引の対象となるもの
ⅲ.流通過程にのせられるもの
ⅳ.ある程度量産できるもの

*現在では、無形物である「ソフトウェア」や「音楽ファイル」、「画像ファイル」についても、商品として保護されています。
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(3)サービスとは?

ⅰ.経済上の収支計算ができるもの
ⅱ.取引の対象となるもの
ⅲ.独立した便益、労務であること

*買い上げ商品の無料配達サービス、ホテルや旅館の送迎サービスや自社内で社員に対して行う社内研修などは、独立したサービスとはいえません。

 商品名・役務名はどのように特定すればよいでしょうか?

下記の表は現行の商標法で定められている商品の第1類から第34類まで、役務の第35類から第45類の45区分を表したものです。 出願にあたっては、これらの区分のうちどの範囲に商標権を付与してほしいかを特定しなければなりません。 指定商品または指定役務は省令別表で例示されています。しかし、例示されていない新商品や新役務であっても具体的に表現して指定することができます。

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「標章の登録のための商品及びサービスの国際分類に関するニース協定」 に基づく国際分類「第11版」について

世界知的所有権機関(WIPO)で開催された第26会期ニース国際分類専門家委員会(2016年4月)において、「標章の登録のための商品及びサービスの国際分類に関するニース協定」に基づく国際分類が、国際分類第11版へ改定されました。これに伴い、わが国でも国際分類第11版に対応した改正部分が平成29年1月1日に施行されました。区分の変更等がある大きな改定箇所としては、第11類「化学物質を充てんした保温保冷具」が第21類に変更されたこと、第9類に「腕時計型携帯情報端末」「スマートフォン」が新たに追加されたこと、等があります。なお、平成24年以降、国際分類は、個々の商品及びサービスについて、毎年若干の見直しがなされており、平成30年施行版では、第28類「シュノーケル」が第9類に移行され、第34類に「電子たばこ」が追加される等の変更がありました。

【出願の戦略】
多区分出願にするか? 別出願にするか?

1つの商標を複数の区分の商品、役務について出願したい場合、
 ① 各区分ごとに別々に出願する方法
 ② 1つの出願で複数の区分の商品、役務を指定する方法
 という2つの方法があります。

審査手続・商標管理等の観点からいずれかを選択することができます。

 第33塁
【資料】 類似商品・役務審査基準(抜粋)
 
 小売・卸売業の商標登録
  【資料】 小売・卸売業の商標保護
 

4)出願前の調査

商標の登録性の有無を判断するために、出願前に他人の同一または類似の登録商標がすでに存在していないか、あるいは出願されていないか、などを調査されることをお勧めします。

もし、使用前に他人の権利の存在がわかれば、別の商標を選択できますので、無駄な経費を費やす必要がなくなります。

商標調査は、データベースを用いるのが主流になっています。
次の方法があります。

●「特許情報プラットフォーム」(J-PlatPat)の無料公開データ(称呼検索)からの検索(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage)
●商標データベース「BRANDY」からの検索 クラリベイト・アナリティクス・ジャパン(株)
●商標データベース「TM-SONER」からの検索 インフォソナー(株)
●商標データベース「INTER MARK」からの検索 インターマーク(株)
 
*弊所の商標調査はこれらのデータベースを複数用い、商標や商品・役務などの類否について専門的立場から判断を行っています。 
弊所では商標調査結果を即日から3日でご報告することができます。
次のページは、弊所の商標調査報告書の一例です。
弊所では出願前に商標調査をご依頼いただきそのご報告を差し上げて「出願内容の提案書」をお送りしています。そして、その提案書をご確認いただいて出願のご指示を貴社からいただきますと、原則その日に特許庁に出願手続きを完了できるようにしています。
 
  調査報告書
【資料】 商標調査報告書の例

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